HACCPの重要ポイント温度管理はIoTで自動化

HACCPは日本語で危害要因分析重要管理点と翻訳されます。食品の製造から出荷に至る工程で異物混入や微生物などによる汚染の危険性を洗い出し特定した上で、危険因子を除外する手法です。世界的に推奨される衛生管理手法でアメリカを始めとして多くの国々の食品事業関係者が取り入れています。日本においても国際的な関心の高まりから食品衛生法の一部が改正されHACCP導入が義務づけられています。

HACCP導入は原則、すべての食品等事業者を対象にします。食品の加工製造を手がける会社だけでなく飲食店や生鮮食品を扱うスーパーも対象です。ですが事業者の規模によっては導入が難しいため、厚生労働省は対象事業者と義務化の内容を事業者の規模でわけています。HACCP導入で重要な課題となるのが温度管理です。

食料品を取り扱うにあたって冷蔵庫や厨房、加工食品の中心部の温度など管理が必要となる場面は多く、手間も作業負荷もかかります。そういった状況で利用される機会が増えているのがIoTを活用した温度管理の自動化です。無線タイプの温度センサーを利用することで人手をかけずにデータの収集や管理が可能で、子機で温度を測定、記録、親機でデータ収集、クラウドで保管します。防水性があり結露に強い、温度だけでなく湿度計測もできるなど機種によってさまざまです。

クラウドに保管されたデータは異常温度を察知した場合、警告する機能を備えたタイプもあるので用途に応じて使い分ければ手間をかけず温度管理できます。