トラブルを未然に防ぐ温度計センサー

温度計センサーを使って食品の衛生状態を管理すれば、細菌やウイルスによる食中毒の被害を防ぐことができます。食中毒の原因となる細菌にはサルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、腸管出血性大腸菌や腸炎ビブリオ菌などがあります。例えばサルモネラ菌は加熱が不十分な卵や肉、魚などに付着しています。この細菌が感染した食品を食べると6時間から8時間ほどで吐き気や腹痛、下痢や発熱などの症状が現れます。

腸管出血性大腸菌は加熱が不十分な肉や生野菜などに付着しており、O157やO111などの種類が存在します。この細菌は食後12時間から60時間ほどで激しい腹痛や血が多く混ざった下痢などの症状を引き起こします。症状が重い場合には命に関わることもあるので注意しなければなりません。細菌は気温が高くなる夏頃に繁殖しやすくなり条件が揃うと食品中でも増えます。

食中毒の原因となるウイルスにはノロウイルスやE型肝炎ウイルスなどがあります。これらは細菌とは反対に気温が低くなる冬に流行する傾向があり、食品中で増えることはありません。細菌は温度計センサーを使い衛生環境を適切に維持していれば繁殖を防ぐことができます。ウイルスは調理スタッフの手などを媒介して食品に付着するので、温度計センサーを使い工場内の環境を良好に保つことが大切です。

細菌とウイルスはいずれも熱に弱い性質があり、温度計センサーを使って管理していれば食中毒による被害を防ぐことができます。ただし黄色ブドウ球菌のように熱に強い毒素を作り出す細菌も存在するので、トラブルを防ぐには温度の管理だけでなく危険物を混入させないための工夫も行う必要があります。